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食洗協案内図
1.手洗いについて
2.野菜・果物の殺菌洗浄方法について
3.アルコール製剤について
4. 食器洗浄機用洗剤について
5. ハム・ソーセージ工場における殺菌洗浄剤の使用実態
6. プラスチック製食器の洗浄と取扱い方法について
手洗いは、手指に付着している目に見える汚れを落とし、さらに、有害な細菌を取り除くのが目的です。目に見える汚れは洗浄剤(固型石けん、液体石けんなど)で落とすことができますが、細菌は洗浄剤だけでは十分には落とすことができません。そこで、洗浄した後、さらに逆性石けんや消毒用アルコールで殺菌したり、あるいは、殺菌剤入り洗浄剤を使用して、洗浄と殺菌を同時に行います。それでは、手洗いはどのような順序で行えばよいのでしょうか?
1.
手洗い用洗浄剤
目に見える汚れを除去することを主な目的として使用されるもので、主成分はアニオン(陰イオン)界面活性剤です。これには以下のようなものがあります。
(1)
固型石けん
脂肪酸のナトリウム塩が主成分です。原料の脂肪酸としては、パーム油、ヤシ油、牛脂などが使われます。
(2)
液体石けん
上記の固型石けんを使いやすくするために、液状にしたものです。液状にするため、溶解性のよいヤシ油脂肪酸のカリウム塩が主に使われます。通常、濃厚溶液となっており、使用時には表示されている濃度に希釈し、専用の容器に入れて使用します。なお、液性は弱アルカリ性です。
(3)
液状合成洗浄剤
上記2種の石けんとは異なり、主成分のアニオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、モノアルキルりん酸エステルナトリウムなどが使用されています。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのような非イオン界面活性剤なども使用されます。皮膚のpHを考慮して、液性は中性ないし弱酸性のものが多いようです。
2.
手洗い用殺菌剤
上記3種類の洗浄剤によって、目に見える汚れとともにある程度の細菌を除去することができますが、食品衛生上必要とされる手洗いは、これだけで十分とはいえません。そこで殺菌剤を用いて、手指についている細菌を殺菌除去する必要があります。殺菌剤を配合した洗浄剤を使って手洗いを行ったり、洗浄剤で手を洗った後に殺菌剤を使用したりして手指の殺菌を行いますが、使用する殺菌剤の種類や、特徴によって効果のある使用方法をとることが必要です。
(1)
殺菌剤入り洗浄剤
洗浄剤に各種殺菌剤を加え、手洗いと同時に殺菌を行うものです。このような殺菌剤として、アニオン界面活性剤をベースにした洗浄剤では、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、イソプロピルメチルフェノールなどが使用され、非イオン界面活性剤をベースとした洗浄剤では、これらの殺菌剤のほか、後述のカチオン界面活性剤である塩化ベンザルコニウムなどが使用されます。なお、このような殺菌剤入り洗浄剤は薬事法の医薬部外品に相当し、製造、販売には厚生労働省の認可が必要です。
(2)
逆性石けん
逆性石けんは、水溶液中で界面活性を示す部分にプラスのイオンを持っていますので、カチオン(陽イオン)界面活性剤といい、アニオン(陰イオン)界面活性剤(石けん等)と反対の電荷を持つ意味で「逆性」という表現が使用されています。代表的な逆性石けんには、塩化ベンザルコニウムと塩化ベンゼトニウムがあります。逆性石けんは、食中毒菌を含む一般細菌に対し強い殺菌力があることが認められており、毒性も低いために、食品衛生分野で広く利用されています。
逆性石けんは、石けんと一緒に使用したり、汚れや有機物などが存在すると殺菌効果が低下しますので、手指を洗浄した後、よくすすいでから使用することが必要です。
(3)
消毒用アルコール
殺菌剤として使用されるアルコールは、エチルアルコール(エタノール)が主成分です。アルコールの殺菌作用は、有機物や金属イオンの影響をほとんど受けませんが、濃度が薄くなると殺菌力が低下します(60〜80%が適性濃度といわれています)。したがって、手の水分をよくふきとっておく必要があります。
消毒用アルコールは、浸漬、塗布およびスプレーの形で使用されます。特に、アルコール用噴霧器は、作業中でも必要に応じて簡単に使用できますので、各作業現場に配置しておくと便利です。
1.
手洗いの前にすること
調理場に入る前には、通常、調理衣に着替えますが、このとき、爪を点検し、伸びていれば切り、また、指輪などのアクセサリーや腕時計もはずします。爪が伸びていたり、アクセサリーや腕時計をはずさずにいたりしますと、その部分の洗浄が十分にできないだけでなく、細菌繁殖の温床になったり、異物混入の原因にもなります。また、マニキュアもはがれると異物となりますので、除光液などできれいに取り除いておきます。
2.
洗浄剤による手洗い
(1)
洗浄
固型石けん、液体石けん、または液状合成洗浄剤の適量を手のひらにとり、よく泡立てて、指先からひじまで約30秒間かけて、ていねいに洗います。このとき、爪の部分は菌が多いので、爪ブラシを使い、爪先の内側までよく洗います。
(2)
すすぎ
流水で10秒以上の時間をかけ、ていねいに洗浄剤を洗い流します。洗浄剤成分を手指に残さないために、すすぎを十分にするよう注意してください。
(3)
手ふき・乾燥
使い捨てのペーパータオル、ロールタオルで、水気を十分にふき取ります。普通のタオルを使用する場合、ある人が洗浄を十分行わずにタオルを使いますと、タオルに細菌が付着し、後で使用する人の手を細菌で汚すことになり、多人数での使用は好ましくありません。
洗浄時に殺菌剤入り洗浄剤を使用すれば、洗浄と殺菌を同時に行うことができます。殺菌を十分に行って食中毒を防止するために、消毒・殺菌を行うことが大切です。
3.
消毒・殺菌
(1) 逆性石けんを使用する場合
・
事前に、石けんなどの洗浄剤で手指を洗浄します。この場合、洗浄剤成分が手指に残りますと殺菌効果が低下しますので、すすぎを十分に行っておくことが必要です。
・
逆性石けんを50〜100倍にうすめた液に、手指を30秒以上浸します。
・
次に、逆性石けんをよく洗い落すために、必ず流水で10秒以上すすぎます。
・
乾燥は、手洗いの場合と同様に、使い捨てペーパータオルやロールタオルでよくふきます。
このとき、共用の汚れたタオルでふきますと、かえってタオルに増殖している大量の細菌で手指が汚染されることになります。
(2) 消毒用アルコールを使用する場合
・
手指全体がぬれる程度に消毒用アルコールを手に噴射し、両手をこすり合わせて手指全体にすりこみ、自然乾燥させます。
・
アルコールは揮発しますので、すすぎや手ふきは必要ありません。
4.
手洗いに関する注意事項
手指の消毒は、手のひらだけでなく、手指全体に消毒剤が接触するようにしなければなりません。特に、爪や指股部には細菌が生息しやすいので、これらの部分に消毒剤がゆきわたるように注意することが必要です。
また、手洗いを行う際には、いずれの方法をとるにしても、手あれに注意しなければなりません。
消毒剤による手指の消毒には、可能であれば洗面器などを使用する貯水式は採用しない方が良いと思われます。それは逆性せっけんなどの消毒剤の中でも濃度が低いと平気で増える細菌(こういう菌を消毒剤耐性菌といいます)がいるからです。消毒剤を溶した液を長期間放置しておくと効力が低下し、こうした耐性菌が増殖してきます。また、有機物が混入してくると消毒効果が半減します。消毒剤の効果は万能ではなく、こうした耐性菌を含む液を使うと、消毒剤によって手指に大量の菌をつけることになりかねません。貯水式を採用しなければならない場合は、こまめに消毒剤をとりかえることが肝要です。
【ページトップへ】
衛食第85号「大規模食中毒対策等について」より抜粋
野菜および果物を加熱せずに供する場合には、参考資料に従い、流水(飲用適のもの。以下同じ。)で十分洗浄し、必要に応じて次亜塩素酸ナトリウム(生食用野菜にあっては、亜塩素酸ナトリウムも使用可)の200mg/Lの溶液に5分間(100mg/Lの溶液の場合は10分間)またはこれと同等の効果を有するもの(食品添加物として使用できる有機酸等)で殺菌を行った後、十分な流水ですすぎ洗いを行うこと。
参考資料
(原材料等の保管管理マニュアルより)
野菜・果物の主な作業工程
衛生害虫、異物混入、腐敗・異臭等がないか点検する。異常品は返品または使用禁止とする。
各材料ごとに、50g程度ずつ清潔な容器(ビニール袋等)に密閉して入れ、−20℃以下で2週間以上保存する。(検食用)
専用の清潔な容器に入れ替えるなどして、10℃前後で保管する(冷凍野菜は−15℃以下)
流水で3回以上水洗いする。
中性洗剤で洗う。
流水で十分すすぎ洗い。
必要に応じて、次亜塩素酸ナトリウム等で殺菌した後、流水で十分すすぎ洗いする。
水切りする。
専用のまな板、包丁でカットする。
清潔な容器に入れる。
清潔なシートで覆い(容器がふた付きの場合を除く)、調理まで30分以上を要する場合には、10℃以下で冷蔵保存する。
このマニュアルから野菜・果物について主な作業工程を抜き出すと、次のようになります。
できるだけ早く消費することが望ましいのは当然ですが、保存する場合は低温を保持することが基準です。
薬剤による表面の殺菌を行っても、農作物内部や凹凸に潜む細菌を完全に除去することはできません。カット野菜の場合、常に10
4
/g以下を維持することは困難とも言われています
(1)
。特に、水耕栽培される農作物は種子の段階から汚染を受けており、農作物内部にも菌が分布していることが知られています
(2)
。低温の場合、比較的ゆっくりと増殖が進むため腐敗の速度を抑えることができます。また、温度帯によって優位に増殖する菌が異なることも安全性に大きく影響します。5℃前後の低い温度帯では、食中毒の危険性の低い種類の細菌が多くを占めますが、温度が高くなるに従い、食中毒の原因となる種類の細菌の割合が高くなってきます
(3)
。これらのことから、農作物の保存は低温で行うことが望まれますが、細菌が増殖しないわけではありません
(4,1)
。長時間保存すると菌数は多くなっていきます。特に、殺菌処理した農作物の組織は微生物同様、ダメージを受けているため、腐敗の速度が早まることもあります
(5)
。
【引用文献】
(1)
「カット野菜の衛生学的調査」
豊島重美、鈴木秀和、藤田満、永末修、舟山芳樹、土谷啓文、佐藤佳介
食品衛生研究、Vol.39,No.10,63−68(1989)
(2)
「市販水耕栽培野菜の微生物分布について」
星野浩子、高村一知、林秀志、浦上逸男
聖徳栄養短期大学紀要 Vol.19,17−22(1988)
(3)
「各種食品のMicrofloraとその変動−−葉菜類について−−」
森奥登志江、
私学研修 No.130,36−49(1993)
(4)
「Effect of Chlorine treatment on Cut Watercress and Onion」
(カット野菜のクレソンとタマネギへの塩素処理の影響)
Woo Po ParK
J.Food Quality,Vol.18,No.5,415−424(1995)
(5)
「次亜塩素酸ナトリウムによるカットキャベツの殺菌と日持ちへの影響」
橋本俊郎、
茨城県工業技術センター研究報告、第24号、44−46
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1.
手指の消毒にアルコールを利用するには?
手指の消毒に使うアルコールは、消毒用エタノールです。手指を消毒する場合は、まず手指の洗浄を十分に行うことが重要です。
石鹸で30秒以上もみ洗いする(爪先、指の間はブラシなどでよく洗うとよい)。
流水で手についている石鹸を十分に洗い流す。
手に残った水分をペーパータオルなどで拭き取り、その後アルコール噴霧器で噴霧し両手で全体に擦り込む。この際、ガーゼに浸したアルコールで手指をよく拭いてもよい。
なお、手指が濡れた状態でアルコールを使用するときには、多少多めに使用しないと、アルコール濃度が低下して殺菌力が弱くなるので注意が必要です。
2.
手指を消毒する場合のアルコール量は?
アルコールを1mLや2mL程度手指に滴下したり、噴射したりする程度では不十分です。
少なくとも3mLが必要で、十分に手指をアルコールで濡らすには4〜5mLを必要とします。なお、爪のところに雑菌が多いので、爪と指の間が十分にアルコールで濡れるよう、噴霧器を使うときは、爪を上に向けてアルコールを噴射し、ボトルからアルコールを掌に滴下するときには、指先に掌のアルコールを十分擦り込むようにして下さい。
3.
手指の消毒方法
手指を消毒する場合、まず手指用洗剤で十分洗い、すすいでからアルコールを使用します。アルコールは、両手を濡らす程度で、効き目があります。アルコールを使用した後は、拭き取らず自然に乾燥させて下さい(拭き取ると効果が減少します)。
【表:アルコール製剤のpH調整および機能の安定化に使用される代表的添加物】
アジピン酸
DL−酒石酸ナトリウム
クエン酸(結晶/無水)
L−酒石酸ナトリウム
クエン酸三ナトリウム
炭酸塩類
グリシン
二酸化炭素
グリセリン脂肪酸エステル
(中鎖脂肪酸に限る)
乳酸
乳酸ナトリウム
グルコノデルタラクトン
フマル酸
グルコン酸
フマル酸−ナトリウム
コハク酸
リゾチーム
コハク酸−ナトリウム
DL−リンゴ酸
コハク酸二ナトリウム
DL−リンゴ酸ナトリウム
酢酸
りん酸およびりん酸塩類
酢酸ナトリウム(結晶/無水)
重合りん酸塩類
DL−酒石酸
イタコン酸
L−酒石酸
フィチン酸
例えば有機酸などをアルコールに添加することによってpHを低下させ、アルコールの殺菌効果を高めるとともに、細菌芽胞の耐熱性を低下させることができます。
さらにこのような製剤を食品に応用する場合には、添加量の減少に伴い、アルコール臭による風味の欠点を補うことが可能となります。
その他、pH調整以外にも表にあるグリシンや食品用乳化剤などをアルコールと併用することによっても、アルコールの効力は増強され、さらに有機酸も組み合わせることにより、より大きな効果を示すことができます。
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ドアタイプの洗浄機を例にとって、実際の洗浄における基本作業を説明してみましょう。洗浄機は正しく使うことが大切です(表−1)。
【表−1 食器洗浄機の基本的な使い方】
作業の流れ
基本的作業(行程)の内容
作業前の
点検
↓
・
正しい作業服の着用、手洗いなどの基本的個人衛生管理の実施
・
洗浄機周辺や作業通路の整理・整頓
・
洗浄機内部(ノズルの目詰まり、排水部の漏れなど)、作業台、ラックなどの整備確認、給湯確認
・
洗浄剤類の補充確認
・
水量、温度および濃度(供給装置)の確認
前処理
行程
↓
・
残飯・残菜を取り除きます(スクラッピング)
・
汚れのひどいものは予備浸漬(プリソーキング)または予備洗浄します(予備浸漬剤もよく利用されます)
・
ラックには食器を無理に重ねず、正しく並べます。グラスやシルバーなど食器類ごとの専用ラック、食器が飛ばないようにする押さえも活用します
食器洗浄機
洗浄工程
すすぎ行程
↓
・
洗浄温度は60〜70℃を基本にします
・
洗浄液はポンプで循環使用しています
・
洗浄行程が終了すると、自動的にすすぎ行程に移ります
・
すすぎ水は清水を使用しています。すすぎ温度は80〜90℃を基本にします(リンス剤添加)
・
すすぎ水は洗浄タンクに入りオーバーフローによって排水されます。この時にタンク内に浮いている汚れも排出されます。また、洗浄液が希釈されますが、供給装置が働いて適正濃度を維持します
食器の保管
↓
・
洗浄が完了したラックは定められた場所に保管します
・
タオル拭きはしません
・
消毒保管庫を利用される場合は温度に注意します
食器洗浄のこれらの行程は「温度管理」が非常に重要で、汚れを充分に落とし、さらに、食器の殺菌、乾燥を助けるため、各行程のタンクには、自動コントロール装置付きの加熱、保温装置が装備されています。
各行程の温度は、米国のNSF規格を例にとってみると、表−2のように定められています。
【表−2 米国NSF規格における各行程の温度条件】
これによりますと、洗浄と循環すすぎの温度については、最低温度のみが規定され、仕上げすすぎ温度については、蒸気化によるすすぎ弊害をなくすため最高温度を定め、かつ、殺菌、乾燥効果を高めるため、最低温度も規定しています。
食器洗浄機に使用する洗浄剤は、洗浄液を高圧で噴射するという使用条件に適合しなければなりません。通常の中性洗剤や石けんなどの高起泡性のものは、泡がじゃまして洗浄効果や作業性が低下するため、専用の食器洗浄機用洗浄剤を使用することが必要となります。
洗浄剤としては、液体・粉体・固体の製品形態がありますが、いずれの形態でも、食器洗浄機用洗浄剤の第一の特徴は無起泡性です。そのために、一般的な中性洗剤とは成分が異なり、水溶性の高い無機塩類(主としてアルカリ塩)を主成分としており、主たる洗浄効果は、アルカリの化学作用によってもたらされています。
これら製品に配合されている成分は、洗浄基剤である水酸化ナトリウム・カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウムなどで、金属イオン封鎖剤として、ポリりん酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどが使われており、これに低起泡性の界面活性剤などがごく少量配合されています。
このような洗浄剤は、食器洗浄機の供給装置に内蔵されている感度の高いセンサーによって、所定濃度(0.1〜0.3%)に巧みにコントロールされて、自動的に供給されます。このように、洗浄剤濃度は常に自動的に適切にコントロールされており、さらに、多量の温水を利用して、十分なすすぎを行ないますので、食器への残留は食品衛生上問題ないものと考えられます。
表−3に食器洗浄機用洗浄剤と液体中性洗剤の主な特徴を比較してみました。
【表−3 食器洗浄機用洗浄剤と中性洗剤の比較】
洗浄機用洗浄剤
中性洗剤
主成分(例)
アルカリ性無機塩
か性アルカリ
けい酸塩
炭酸塩など
界面活性剤
陰イオン界面活性剤
非イオン界面活性剤
両性界面活性剤
主作用
アルカリ性の化学作用
界面活性作用
起泡性
無起泡性
高起泡性
液 性
アルカリ性
中性
食器洗浄機用の洗浄剤には、りん酸塩の配合の有無によって「有りん、無りん」に別れ、またか性アルカリ量によって「劇物、非劇物」があります。さらに「塩素剤含有の有無」、「軟水用、硬水用」等何十種類もの製品があり、ユーザーにとってはどの洗浄剤が最適なのかなかなか難しい問題です。
要は、ユーザーの使用形態に最もマッチしたものを選択すればよいわけですが、食器の種類から料理内容、使用頻度、汚れ具合、厨房のスペースやレイアウト、
食器洗浄機のタイプ、作業者の経験度、さらには価格から水質、環境に与える影響、アフターサービス体制、ランニングコスト、洗浄力、安全性、そして洗浄剤設置場所のスペース、使い易さに至るまで、決定するためのファクターは実にたくさんあります。
このため、洗浄剤の選択には、「洗浄」という作業に対しての深い理解と幅広い知識が要求されます。ユーザーを中心に洗浄剤メーカー、食器洗浄機メーカーが一体となって、それぞれの立場から問題点を見極めたうえで、洗浄剤を選択することが大切です。
機械洗浄における洗浄効果を高めるために、洗浄剤以外の薬剤もよく使用されています。以下主なものについて説明します。
リンス剤
リンス剤(乾燥仕上剤)とは食器洗浄機によって洗浄した際に、食器についた水滴の乾燥時間を早め、かつ食器に付着するすすぎ水によって乾燥後生ずるスポット(斑点)を防止し、衛生的にも、見た目にもきれいにするために、すすぎ水に注入する仕上剤です。
リンス処理が普及してきた理由は、良好な洗浄仕上効果が得られるばかりではなく、タオリングが不要になるため、労働力および作業スペースが削減できます。もちろん、安全性、衛生上の問題がすべての面に優先しますが、タオリングによる汚れの再付着がないため、リンス処理は食器を衛生的に管理するためにも非常に有益です。このような面から、現代社会のニーズに適応していることが最大の理由であり、今後もリンス処理の必要性はますます増大するものと思われます。
1973年、厚生省告示98号で「飲食器は飲用適の水ですすがなければならない」旨使用基準が定められました。したがって、すすぎ水は上水道の水質基準に適合する必要があるために、わが国のリンス剤は安全性の高い成分のみから作られ、また、リンス供給装置を用いて自動的にすすぎ水に注入され、適正な濃度(1万分の1〜2万分の1程度)で使用されています。
前浸漬剤
デンプンやタンパク質は洗浄機洗浄では除去しにくいため、洗浄前に水あるいは温水に浸漬してから洗浄すると除去効果が高まります。これを前浸漬と呼び、このとき、さらに除去効果を高める目的で前浸漬剤がよく利用されます。
漂白剤
長期間食器を使用していると、通常の食器洗浄機による洗浄だけでは落とし切れない色素などの汚れが目立つようになってきます。このような汚れを除去するときに用いられるのが漂白剤です。
一般的に市販されている漂白剤は、「酸素系」と「塩素系」の2種類があります。酸素系では「過炭酸ナトリウム」や「過硼酸ナトリウム」が主成分であり、塩素系では「次亜塩素酸ナトリウム」等が主成分です。これらの漂白剤は、いずれも色素を酸化分解することによって食器をもとのきれいな状態に戻すものですが、食器の種類によっては使用条件を間違えると材質をいためる場合もありますので、注意が必要です。
なお、塩素系の場合、酸性物質と混ざりますと有害な塩素ガスを発生しますので、注意が必要です。日本食品洗浄剤衛生協会では、該当商品に「まぜるな危険」の注意表示をするよう申し合わせています。
銀器専用洗浄剤
食器洗浄機では、食器の表面に付着している汚れを洗浄除去することができますが、銀器(銀メッキされた食器)は、いろいろな原因によって銀が化学変化して変色し、通常の洗浄機による洗浄ではもとの状態に戻すことはできません。このような場合に、銀本来の輝きを取り戻すために使用するのが銀器専用洗浄剤です。
液体タイプや、クリーム状、粉末を溶かして使うものなどさまざまな製品が市販されていますので、変色の程度や作業性等を考慮し、使いやすい製品を選ぶとよいでしょう。
食器洗浄機と洗浄剤の除菌効果は実用テストの結果でも証明されています。機械洗浄における洗浄・除菌効果は、食器洗浄機の運転条件(例えば、洗浄時間・温度・水量・水圧・汚れの放置時間・前処理の有無など)に大きく影響されますが、ここでは、実際に各種の食器洗浄機を用いて、食器の汚れ(油脂、デンプン、細菌など)がどの程度除去できるか、実用条件下でテストしました。洗浄機は、代表的なフライトコンベアタイプと、最も普及しているドアタイプを使用しましたので、その結果をご紹介します。
このテスト結果を見ておわかりいただけるように、食器洗浄機と洗浄剤を用いた洗浄および除菌効果は非常に大きいといえます。
1.フライトコンベアタイプ食器洗浄機によるテスト結果
【試験条件】
洗浄機:
I社製フライトコンベアタイプ食器洗浄機
洗浄機:
A社製 粉末タイプ洗浄剤(濃度0.2%W/V)
リンス剤:
A社製(濃度1/20.000(W/V))
大腸菌試験:
大腸菌(
Escherichia coli U5/41
)を食材と共に食器に強制付着させ、約30分放置乾燥後洗浄し、残存する菌数を測定。
食器付着菌試験:
喫食後約1時間経過した食器を洗浄し、残存する菌数を測定。
デンプン残留試験:
デンプンは片栗粉と小麦粉を混和した糊状汚れを付着させた食器を洗浄し、0.1Nヨウ素溶液による判定を行った。
脂肪残留試験:
マーガリンを塗布した食器を洗浄し、0.1%イエローOB溶液による判定を行った。
【試験結果】
【表−4 大腸菌に対する除菌効果】
食器の種類
大腸菌数(cfu/mL)
洗浄前
洗浄後
陶製皿
(+) 4.2x10
7
(-) <10
陶製どんぶり
(+) 3.0x10
7
(-) <10
メラミン製皿
(+) 3.6x10
7
(-) <10
メラミン製どんぶり
(+) 3.7x10
7
(-) <10
(+) BGLB陽性 (-) BGLB陰性
【表−5 食器付着菌に対する除菌効果(単位cfu/mL)】
食器の種類
洗浄前
洗浄後
一般生菌数
大腸菌群
一般生菌数
大腸菌群
陶製皿
2.3x10
6
(+) 2.1x10
5
<300 (2)
*
(-) 0
陶製どんぶり
1.5x10
6
(+) 8.7x10
4
<300 (6)
*
(-) 0
メラミン製皿
7.8x10
5
(+) 1.3x10
4
<300 (220)
*
(-) 0
メラミン製どんぶり
2.7x10
7
(+) 5.7x10
5
<300 (76)
*
(-) 0
( )
*
実測数
【表−6 デンプン・脂肪残留試験結果】
食器の種類
洗浄別
検査の種類
前洗いあり・なし
デンプン
脂 肪
陶製皿
前洗いあり
(-)
(-)
前洗いなし
(+)
(-)
陶製どんぶり
前洗いあり
(-)
(-)
前洗いなし
(++)
(-)
メラミン製皿
前洗いあり
(-)
(-)
前洗いなし
(+)
(-)
メラミン製どんぶり
前洗いあり
(-)
(-)
前洗いなし
(++)
(-)
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(食洗協調べ ’98.10 N=27工場)
用途別にどのような殺菌洗浄剤が使用されているかについて図1〜図4に示しました。
【図1 機械に使用される殺菌洗浄剤】
【図2 器具に使用される殺菌洗浄剤】
機械及び器具に使用される殺菌洗浄剤では、アルコール系が最も多く、ほぼ1/2を占め、次いで塩素系がおよそ1/4であり、これに次いで、機械ではビグアナイド系が1/6を占めていました。
【図3 調理台に使用される殺菌洗浄剤】
【図4 床に使用される殺菌洗浄剤】
調理台に使用される殺菌洗浄剤では、アルコール系が最も多く、ほぼ1/2を占め、次いで塩素系がおよそ1/3でした。
床に使用されている殺菌洗浄剤は、約1/2が塩素系殺菌洗浄剤でした。これは床を殺菌洗浄するには量的に多く必要な点から、価格的に最も安価なメリットのある塩素系が選択されたものと考えられます。
次いでビグアナイド系およびカチオン系の殺菌洗浄剤が多く使用されていました。ある調査によればハム・ソーセージ製造工場にいる常在菌は乳酸菌であり、製品の変敗原因菌となっていることが多く、当該菌のコントロールがポイントとなりますが、嫌気性芽胞菌を含む腸内細菌にも広く汚染されているといわれています。このような芽胞菌および真菌対策あるいは材質への影響の配慮から、カチオン系あるいはビグアナイド系が使用されていると考えられます。
アルコール系の殺菌洗浄剤は、壁にわずかに使用されているものの床には全く使用されていませんでした。これは、床などが濡れていた場合に効力が低下すること、コストが床に使用するには高価であることおよび危険性(引火し易い)が高いためと考えられます。
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食器の洗浄フローおよび留意点
・
使用後はできるだけ
早く残さいを水で流します。
・
落ちにくいでんぷんやタンパク質の
汚れは、30〜40℃のお湯に
15〜20分間浸漬します。
・
傷をつけないように
柔らかいスポンジを使います。
・
お湯の温度と洗剤の濃度を正しく調整して洗浄します。
・
必ず自動食器洗浄機専用の洗浄剤を使います。
・
水圧や温度が低いと十分すすぎ・乾燥ができなくなりますので、定期的にチ ェックを行ってください。
・
消毒保管庫を使用する場合は、メラミン食器は85℃で20〜30分間、ポリプロピレン、ポリカーボネート食器は85〜90℃、40〜50分間消毒で庫内温度は均一になるようにセットします。
・
保管庫以外に収納する場合は、十分乾燥させてから湿気の少ないところに保管します。
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